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NISIKI鯉の甘露煮

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▼ 南部の気候と錦鯉養殖  新井の南部がなぜ錦鯉の養殖にむいているかは今は知りません。きっと天然の恵まれた水と気候風土が鯉の生育によいのでしょう。それにしても、同じく豪雪地帯であるこの地の冬は、彼らの住まいである池も雪におおわれ、数ヶ月間は鯉も雪と氷のふたの中に閉じこめられたままとなります。人間ではとてもたえられない状況ですが、春の山菜、雪下だいこん同様、なにがこれらにとってよいことなのかは知るよしもありません。

▼きっかけ  錦鯉の良し悪し、これまた私の専門外。飼育のプロは「デザイン」「美人」という表現をしていましたが、健康はもとよりプロポーション、みた目の美しさが彼らの価値の大部分をしめていることは、私でもなんとなく想像がつきます。そして「デザイン」は作ろうと思って作れるものではなく、あくまで偶然の産物。もっと正確に言うならバランス良く美しい模様の鯉を選別の対象にして、それ以外のほとんどは何らかの方法で自然に帰してやるということです。サギの餌になるものあり、自然死するものあり・・。そうしてほとんどは淘汰されてしまいます。おむすびの定番「タラノコ」でわかるように一匹の鱈からあれだけの稚魚がすべて成魚となったら、それだけで海は鱈だらけになってしまいますが、そうはなりません。淘汰というのはかわいそうなことではないわけです。で、わかるように、私はこの錦鯉を文化的に、生産者にとってもより価値のある淘汰ができないかとまじめに考えました。

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▼食材となる瞬間  この年私は多くの命を奪いました。この錦鯉を始めとして、どじょう、鴨、ニワトリ・・。ちょっと見方を変えると愛玩動物(ペット)と呼ばれるようなものも。ある人に聞きました。「食べ物として食べるために飼っている動物はいくら生命を奪っても戒められることはない」。そのとおりです、そうでなければおかしい。でも自分の手でそれを行って、動物が苦しんでいる姿を見るのは結構つらい。「食べるぞ!調理するぞ!」と決心した瞬間、かわいい動物が食材となるのに気づいたのは新鮮な発見でした。

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▼そもそも錦鯉が食用に向くのか?  食べてみようと思ったのは、「錦鯉も黒鯉も同じ鯉。色がついてるかついてないかの違いだわね。」と言われたのがきっかけ。色なら海の鯛はものすごく鮮やかで綺麗な色しているし、模様だったら鯖のほうがもっと不気味なはず。海の魚でもオキノジョウはほとんど金魚。だとすれば・・。実際調理をしてみて感じたこと、それは模様や色はさほど気にならなかった。味は鯉独特のほろ苦さはあるものの結構旨い。気味が悪いと言って結局最後まで食べてもらえない人もいたけれどいい経験をさせてもらいました。結局人間は習慣や、雰囲気、気持ちで食べるものですから、そう言う私も虫は大の苦手・・・。また来年も挑戦してみようと思いました。

ちなみに、錦鯉を食べることが公然の常識となっているのか?ネットで調べてみましたが、現時点で「食用となる」と記載させているページが見あたりませんでした。もう少し調べてみますが、情報をご存知のかたがいらっしゃったらご一報くださると幸いです。

murachef (2005年1月 6日 12:04)