まるごと合鴨体験
食べものを知る〜まるごと合鴨体験
2007年で4年目となる、妙高市楡島合鴨会の合鴨飼育。本年度はより多くのみなさんから食べることの素晴らしさを体験していただこうと、会とねおかんぱーにゅ南部が、合鴨をさばきを体験しながら、おいしく食べる会を企画しました。
イベントを終えて〜幸せを実感。合鴨体験
12月1日9時集合。合鴨会のメンバーと参加者が顔合わせ。「こんにちわ〜」
幸いお天気もよく、ほどよく作業が進みそうです。30代〜70代の年齢も性別も職業も様々な12名の皆さん。このホームページを見て参加された静岡県の合鴨農法実践者のかた(遠くからご苦労様です)、新潟市や十日町市、上越市からも大勢の参加です。
春から育てた50数羽の合鴨、けものにやられたりしながら生き延びた28羽の捕獲作業から始まりました。
足を縛ると観念した様子で作業は手ぎわよく進められました。1.首を切って血抜き 2.熱い湯につけてから羽根を丁寧にとります 3.キレイに仕上げたら腹を割ってまだ温かい内蔵を抜きます 4.胸、股といったパーツに分割していきます。
食後の写真をごらんください。満足げな表情。
もちろん生きている鳥を自らの手で殺すのは心が痛みます。血がたっぷり付いた内蔵を取り出すのは気持ちよくはありません。ところがなんなくやってのけました。
みんなにつられてもあるかもしれません?が、やっぱり「動物である私たちはまた他の動物を殺して食べて生きている」ということを頭と体で理解したに過ぎません。
一緒に生きる仕事を営んだ私たちは、まるで家族のように、食べ物のありがたさと、食べる事の喜び、みんなで美味しく食べることの幸せを実感できたように思います。
12月1日体験終了後、さっそくメールをいただきました
『合鴨捌き体験記』(新潟市山崎さん)
お蔭様で80%位は理解できました。
まさか自分で温血動物の命を絶つとは考えても居ませんでしたので、正直なところ戸惑いがありました。
でも 流れと勢いでやってしまいました。
包丁を持たされては、もう仕方ありませんね。
鳥は足が自由にならないと従順になることを初めて知りました。
頚動・静脈を切った瞬間は、痛そうでもなく暴れもしなかったのが救いでした。
むしろ アレッという目で僕を見つめていました。
外傷性と精神的ショックの結果でしょうと思いました。
人間の場合は恐らくそこで失神するんでしょうね。
血抜きをする間、僕を見つめていました。・・・・・・・・・。
人間が生きてゆく上での原罪の一つだと判っていても心の動揺は隠せません。
感傷的なのは、ここまで。
一気に首を切断して、楽にして上げればいいのになぁて思いましたが、先生の説明でナットクナットク。
暴れて血液が末梢に散って鬱血してしまうんですね。
羽根を毟る前に、湯に漬けるのにはナルホドでした。
ショックで収縮した肌を、和らげて羽が抜けやすくするんだなぁって。ホントかな?
単純作業には自信がある僕は、人が一羽終わる間に僕は二羽出来るでしょうと、たかをくくったのが大間違い。
結果は、ようやく間に合ったね と言ったところ。
さて先生に促されて、いよいよ執刀 じゃ無く執包丁。
ハラワタを抜くまでの手順は、思ったとおりでした。
股間節を外すのに、皮の何処から皮切を入れるかは、教えていただいて初めて知りました。
(自己流捌きは、笑わないで下さい 皮を全部剥いでから解体にかかっていたのでした。矢張り笑いましたね。)
肉塊には成るべく多くの皮をつけるんですね。
さて裏返して、脊椎棘突起の外側から棘突起に沿って背筋群を外し、鎖骨を胸鎖関節で外す。
ン?胸骨と何かの骨が靱帯で繋がっているようだぞ・・??これが人間には無い骨か?
センセェ~イ と声をかけ様かと思いましたが、その時センセェ~イは無我夢中で包丁トントン。
とても質問できる雰囲気ではない!と、あちこち引っくり返しながら作業を進めました。
今思えば、骨は骨で取り除きながら進めば良かったのになぁって反省しきり。
手の暖かさが、肉に移って仕舞いました。
手際が悪かったです。
あまりに en bloc(※注) にバラソウと思ったのが、欲張りすぎでしたね。
結果 ササミが外れて綺麗に仕上がりませんでした。
矢張り僕の出刃は、この作業には大きすぎましたね。
外野から 二本持って来れば良かったのに と声がかかりましたが、それは違うぜ!
持てる一本で全てを終わらなくてはいけませ~ん。
結語:皮切と骨の外し方を良く見て置けばよかったなぁ。
で、 20%心残りでした。
※注)送り主の山崎さんより「en bloc」について後日説明がありました(以下)
「文中の en bloc は、業界用語で「一塊で」と言う意味で、摘出手術の時などに「他の臓器を損傷しないで一塊に・・・」と言う意味です。
内臓を抜く場合もそうですし、例えば胸肉の場合は、他の筋肉を傷つけないで と言う意味で使いました。」
合鴨体験 募集要項
妙高市楡島(にれしま)合鴨会飼育の合鴨の処理に協力します。合鴨解体を学ぶとともに、食べ物のありがたさを体験します。
- 内容;楡島合鴨会当日の作業は「飼育小屋撤収と捕獲〜血抜き〜羽根とり〜内蔵取り」となりますが、体験者は主に「羽根とり」を担当していただきます。もちろん全ての工程を見ることもできます。希望者にはさばきかたも実技指導いたします事前にご連絡ください。昼食は、ねおかんぱーにゅ南部でおいしい合鴨料理を食べましょう。
- 日時;平成19年12月1日土曜日 9:00〜13:00(正午より昼食)
- 場所;瑞穂会館の周辺(瑞穂会館はねおかんぱーにゅ南部の隣です)
- 体験料;300円(高校生以下無料)
- 持ち物;雨具(雨天時)、防寒具、汚れてもよい服装と靴
- 申し込み;リンク先フォームからか、お電話(0255-75-3941)にて「代表者氏名・住所・連絡先・体験人数」をお知らせください ※ 合鴨さばき体験希望者は事前連絡お願いします
- 〆切り;定員になり次第締め切ります
- 主催;ねおかんぱーにゅ南部
- 協力;楡島地区合鴨会
- 注意事項;
※ 飼育者の楡島地区合鴨会とねおかんぱーにゅ南部の協同作業となります。地区のみなさんと協力して作業にあたってください。
※合鴨さばき(解体)を自分でやってみたいかたはご連絡のうえお申し込みください。包丁もご持参ください。その際一羽買い取りいただきますので合鴨代をいただきます。解体の受講定員は3名です。
●ねおかんぱーにゅ南部 〒944-0334 新潟県妙高市楡島128 tel. 0255-75-3941 web. http://neo-cam.net/
→ 募集要項ダウンロード(A4・071201_bosyu.pdf)